「3ヶ月でWebデザイナーに!」などの広告をよく目にしますが、実際に主婦がWebデザイナーを目指したものの挫折も多いとちらほら耳にします。今回は、デザイナー歴14年の子持ちママが、Webデザイナー主婦が挫折する原因は?やめとけと言われる3つの理由と解決策についてご紹介します。
- Webデザイナーを目指す主婦が挫折する原因を知りたい
- Webデザイナーを目指すのは「やめとけ」と主婦が言われる理由を知りたい
- それでもWebデザイナーになりたい主婦が挫折しない解決策を知りたい
- 主婦でもWebデザイナーとして収入を得る方法を知りたい
- Webデザイナー主婦のリアルな現実や収入を知りたい
Webデザイナーの主婦が挫折する原因は?
もともと制作会社や企業でインハウスデザイナーとしての経験がある方なら、退職後も主婦業と両立しながら在宅でWebデザイナーとして活躍することは可能です。
しかし、未経験でさらにお子さんがいる場合、主婦業をしながらWebデザイナーを目指すのは容易なことではありません。よく『未経験から月収30万!』といったキャッチコピーや、赤ちゃんを抱きながらパソコンに向かうママの広告を目にしますが、現実はそれほど甘くありません・・。
Webデザイナーの主婦が挫折する原因について深掘りしていきます。
勉強する時間の確保が難しい
未経験からWebデザイナーを目指す場合、①独学で勉強する、②専門のスクールで学ぶ、③オンライン講座を受ける、といった方法があります。(新卒などの若い方であれば、スキルや経験がなくても就職し、実務を通じてスキルを磨いてWebデザイナーになることができる場合もありますが、未経験の方を雇う会社は新卒以外では少ないのが現状です。)
どの方法を選ぶにしても、勉強時間の確保は必須です。
Webデザイナーになるには、最低限としてデザイン作成に必要なPhotoshopなどのソフトの使い方や、html・cssの基礎を身に付ける必要があります。主婦業のみしている方の場合、勉強時間の確保はしやすいかと思いますが、お子さんを自宅保育をしている主婦の場合、主婦業を行いつつ、赤ちゃんのお世話をしながらだと、がっつりとパソコンを触れる時間はほぼありません。唯一確保できるのは、赤ちゃんが寝ている時間ぐらいとなるので、勉強時間を十分に確保することが難しいです。(特にコーディングは、頭も使う作業となるので、赤ちゃんをあやしながら対応することは難しいです。)
Webデザイナーになるために必要な勉強が多すぎる
Webデザイナーでも、デザインのみを行うデザイナーか、デザイン+コーディングができるWebデザイナー、どちらを目指すかによって勉強量は変わってきますが、後者のデザイン+コーディングができるWebデザイナーの方が、デザインする上でも今後の仕事獲得の際も圧倒的に有利かと思います。
コーディングについては、全てをパーフェクトにしなくても最低限のHTML・CSSの基礎の知識はつけておいた方がおすすめです。最近はノーコードで作成できるWebサイト制作ツールも増えてはきていますが、コーディングの基礎が分かっている人のデザインと、そうでない人のデザインは差が出ますし仕上がりも変わってくるので、やはりコーディングの基礎は必ず身につけておきましょう。
ただそうなってくると、デザインソフトの使い方の習得から始まり、デザインの基礎、デザインの実践を行った上で、コーディングの勉強も一から始めないといけないため、勉強量はかなり多くなります。勉強しないといけないことが多すぎることも、Webデザイナーを目指す主婦の挫折の理由の1つになっています。
スクール卒業後、仕事がない、稼げない
上記のものをすべてを学んだからといって、すぐに仕事が取れるとは限りません。スクールによっては、卒業後に就職のサポートをしてくれるところもありますが、特に在宅で主婦としてWebデザイナーを目指す場合、自分で仕事を取り続ける必要があります。業務委託などで継続的に仕事を契約できる可能性もありますが、制作会社や企業が実務未経験の方に仕事を依頼することは、やはり少ないのが現実です。
私自身も以前、制作会社で働いていましたが、業務委託や外注先として仕事をお願いしていたのは、元々その会社で働いていて、退職後に独立したスキルのあるデザイナーや、他の企業で長年経験を積み、実績が豊富な方々でした。実務経験がない方に仕事をお願いするのは、どうしてもリスクが高く難しい部分が多いです。低単価であれば依頼が来る可能性もありますが、それでは疲れてしまうだけです。
他にも、クラウドワークスなどのクラウドソーシングを活用する方法もありますが、基本的に単価が安く、競争も激しいため、仕事を取れても思ったほど稼げないことが多いです。
これらのことが、Webデザイナーを目指す主婦の挫折率が高い理由となっています。
Webデザイナーを目指すのは「やめとけ」と主婦が言われる3つの理由
Webデザイナーは飽和状態
コロナ渦の頃から、在宅ワークというものが世間に広まり、特にWebデザイナーは人気の職業となりました。特にWebデザイナーというのは資格などは必要なく、パソコン1つあれば自宅で仕事ができるということで、ママさん達をターゲットとした広告もたくさん見られました。
インスタの広告などで頻繁に見かけましたね
そのため、Webデザイナーを目指す方の数がかなり増えてしまいライバルの数も多いです。例えWebデザインのスキルを習得したとしても、仕事が取れない問題にぶち当たりやすいです。
Webデザイナー増えすぎ問題については下記の記事でご紹介しています。
デザイナーじゃなくてもデザインやホームページを作成できる
近年、Canvaなどのツールが普及し、IllustratorやPhotoshopといった専門的なソフトがなくても、デザインできる方が増えてきました。またペライチなどのノーコードでホームページを作成できるツールも増えており、ある程度パソコンを使える方なら、自分でホームページを作ることも可能になっています。今後、こういったツールはますます増えていくと思われます。
そのため、少しWebデザインを学んだ程度の主婦の方に依頼するメリットが少なくなっているのが現実です。お金を払って依頼するなら、実績のあるプロにお願いしたいと考える方が多いため、駆け出しの段階では安定した収入を得るのが難しい可能性が高いです。
無料ホームページ制作・作成なら作り方かんたんなペライチ納期に追われる・時間外労働
Webデザイナーは必ず納期がある仕事です。また、クライアントワークとなるので、打ち合わせや修正等の作業など行う必要があり、主婦の隙間時間でできるような仕事ではありません。納期前や修正等が重なると夜間などに対応する必要が出てくる場合があります。
家事や子育てをされている主婦の方の場合、基本的に時間との戦いのためそういったことに柔軟に対応することがなかなか難しいことも「やめとけ」と言われる理由の1つです。
Webデザイナーを目指す主婦が挫折しないための解決策5選
Webデザイナーを目指したいけれど、育児や家事との両立で挫折しそうになる…そんな悩みを抱える主婦の方も多いはず。特に未経験からの挑戦となると、不安や壁にぶつかることもありますよね。そこで主婦でも無理なくWebデザイナーとして成長できる解決策を5つご紹介します。
無理のないペースでのチャレンジ
主婦業や育児に追われる中でも、在宅で少しずつ経験を積むことは可能です。いきなり会社員ぐらいのお給料を目指すのではなく、まずは週に1〜2件の小さな案件からこなすところから始め、無理なく家事や育児と両立させることで、挫折を回避できます。
少しずつ実績を積み重ねれば、将来的には専業デザイナーとして働く道も開かれるかもしれません。
目標を持つことはいいことですが、目標が大きすぎると挫折しがち。まずは必ず達成できそうな目標を立てるのも
デザイン+αのスキルで仕事の幅を広げる
Webデザインだけでなく、マーケティングやライティングなどの他のスキルと組み合わせて提供することで、自分の強みを発揮しやすくなります。
特に、主婦層をターゲットにしたSNSやブログ運営をする企業では、デザインだけでなくコンテンツ作成や集客の知識が求められることが多く、デザイン+αのスキルがあると、より多くの案件に対応できるようになります。
Canvaを極めて、Canvaデザイナーとして活動する
Webデザイナーと聞くと、PhotoshopやIllustratorといったプロ向けのツールを使うイメージが強いですが、最近ではCanvaのような簡単なデザインツールでもプロフェッショナルな成果物を作れる時代になっています。Canvaを極めて、バナーやSNS投稿用のデザインを手軽に提供できる「Canvaデザイナー」として活躍するのも一つの手です。
特に、クラウドソーシングなどでのニーズが高く、子育て中の隙間時間でも取り組みやすい仕事スタイルとなります。
家族(夫)の協力を得る
主婦でWebデザイナーを目指す場合、家族が非協力的な場合どうしても挫折しまいがちです。「本当に稼げるの?」など心配する旦那さんも中にはいらっしゃるかと思いますが、目指すと決めた場合は、家族の協力もあったほうが挫折はしづらいかと思います。
そのため、Webデザイナーを目指す場合はできれば旦那さんの協力を得て、子供の寝かしつけは旦那さんに頼む、休日は旦那さんに子供をみてもらう時間を作るなどして、少しでも自分の時間の確保ができると勉強の時間に費やすことができます。
生活パターンにもよりますが、特に朝活は深夜よりも頭が働くため勉強時間としてはおすすめです。
Webデザイナーを目指した理由を改めて考える
Webデザイナーを目指したものの、時にはやめたくなる瞬間もあるかと思います。その時は今一度、Webデザイナーを目指した理由を改めて考えてみてください。「スキルを身につけたい」「在宅で稼ぎたい」という理由も立派な理由ですが、「もう一度就職活動をして会社に雇われで働きたくない」という一見ネガティブな感情も、踏ん張れるきっかけになりますよ。
Webデザイナーになった主婦が挫折しそうな時の対処法3選
努力を続けていてもどうしても気持ちが折れてしまう瞬間や挫折してしまいそうなときは誰でもあるものです。そんな時の対処法をご紹介します。
他人と比べない
X (旧Twitter)などのSNSなどを見ていると、他人と比べてつい焦る気持ちが出てくることがあるかと思います。ただ、他人と比べても何も生まれないため、比較して落ち込むのはやめましょう。
Webデザイナーの方の「月収50万達成!」など月収に関するツイートをよく見かけることがありますが、それを見て必要以上に焦る必要もありません。もちろん嘘を言っているとは思いませんが、極端な話をすると同時期に多数の案件を納品できれば月収50万を達成できますが、翌月は0などもあり得るからです。
他人が仕事をたくさん獲得しているのを見ると焦る気持ちが湧いてきますが、そういった時はSNSをお休みするのも1つの方法かと思います。
理想とするWebデザイナーの方を目標にする
駆け出しの方の場合、つい同じ状況の駆け出しデザイナーの方と関わりたくなるものですが、同じレベルの方ではなくもっと先にいる理想のWebデザイナーの方をチェックしてみましょう。こんな風になりたい!と思える方を見つければ、自然とモチベーションも湧いてきますよ。
駆け出し同士の場合、「あの人はもうあんなに稼いでいる」「あんなにたくさん仕事を獲得している」などどうしても自分と比較しやすくなってしまいます。それが自身のモチベーションに繋がるのであれば良いですが、ネガティブになってしまう方は自分と同レベルの方を見るより目標にしたい方を見つけましょう。
気分転換・リフレッシュして一度デザインを休む
疲れてしまった時には時に気分転やリフレッシュをしてWebデザインをお休みすることも1つの手段かと思います。好きなカフェに行ったり、友達に会うなどちょっとしたことで気分転換になるものですよ。ただし、休み続けるのは一気にやる気がなくなってしまうので、1、2日休んだらまた勉強を再開するよう意識しましょう。
3日以上あけてしまうと習慣化しづらくなるので、「土日だけお休み」などあらかじめルールを決めるのも良いですね。
フリーランスのWebデザイナー主婦のリアルな収入や現実は?
主婦Webデザイナーのリアルな収入
実際のWebデザイナーのリアルな収入はどれぐらいなのでしょうか。もちろんピンキリではあるのですが、主婦のWebデザイナーの収入としての相場は、20〜30万ぐらいの方が多いのではないかと思います。
私は、デザイナー歴は10年以上、現在はフリーランス歴4年目の主婦となりますが、現在の収入は主にココナラと企業からの定期案件で収入を得ています。参考までに、下記はこのブログ執筆時の1ヶ月間のココナラの販売実績です。
正直なところココナラでの収入は月によってかなり振り幅がありますし、さらにココナラへの手数料も発生します。多数の案件を納品できた月は、会社員時代より大幅に多いこともありますが、案件の進み具合によってあまり納品ができなかった月は10万前後のこともあります。
ココナラなどの場合ほとんどが単発案件となるので受注すればするほど稼げる額は多くなります。ただ主婦の場合、仕事以外にもしないといけないことがたくさんあると思うので、闇雲に受注してしまうのは自分の首を締めることになりかねません。無理しすぎない程度に余裕を持ってスケジュール管理をすることが重要となります。
会社員の場合、収入が0なんてことはあり得ませんが稼げることのできる額は毎月一定です。その点、毎月決まった安定的な収入は望めませんが、稼げる額に限度がないことは主婦Webデザイナーのメリットかと思います。
主婦Webデザイナーのリアルな現実
私はフリーランスの主婦Webデザイナーになって今年が4年目となりますが、正直なところかなり自分には合っていたと思っています。
制作会社で働いていた時代は、子供が生まれてからは時短勤務にしてもらったため収入は激減、だけどしないといけない仕事は多く時間が足りないため昼休みを返上したり仕事を持ち帰りして作業することも多々ありました。常に時間にも追われていましたし、子供が体調を崩した時は休まないといけないなど周りに気遣うことも多くかなり疲労していました。
フリーランスのWebデザイナーになってからは、ある程度仕事量も自分で調節できますし、子供を体調を崩した時にも自宅でみることができ(その分仕事は深夜や早朝にすることになりますが)、洗濯や家事などの主婦業も仕事の合間ですることができるため時間も有効的に使うことができています。
ただやはり病気や入院をした時の保障などは会社員と違い無いので、そういった点はやはり会社員との大きな違いかと思います。そう言った点を除けば、ある程度スキルを身につけることができればWebデザイナーは主婦にとってとても働きやすい方法だと思っています。
Webデザイナーを目指す主婦が仕事を獲得する方法
では主婦Webデザイナーに仕事を獲得する方法はあるのでしょうか。主婦Webデザイナーが、仕事を獲得する方法をいくつかご紹介します。
クラウドソーシングを利用する
前述でクラウドワークスの話をしましたが、クラウドワークス だと基本がコンペ形式となるため、1つの案件に対してたくさんの方が応募をし選ばれた人だけが仕事を獲得(収入を得る)することになり、忙しい主婦からすると非効率です。ですのでコンペ形式ではなく、お客さんの方から仕事を依頼してくれるココナラの方がまだ仕事を獲得できる可能性があります。
ただココナラも多数のWebデザイナーの出品者がいるため、そこからのし上がっていくにはやはり最初は単価を低く始める必要があります。徐々に実績が増えてから、単価を上げていくことになります。主婦業をしながらWebデザイナーを目指す場合、例えばお小遣い程度稼げれば良いという方であればバナーやヘッダー制作などを行えば月に数万円は稼ぐことが可能です。(その場合コーディングの勉強は必要ありません)
ただ、ガッツリと会社員並みに収入を得たいと考えている場合は、バナーやヘッダー制作のみであれば到底無理なので(月に100個以上納品すればいけないこともないですが現実的ではないです・・)、ホームページ制作やLP制作など、単価が高いものを出品する必要があります。
直接の知り合いから仕事をもらう
直接の知り合いから仕事をもらうことも収入を得る1つの方法です。ネットではWebデザイナーはごまんといるように感じますが、実際に周りを見渡すとそこまでいないですよね。周りの人に「ホームページを作成できる」ということを言っておくとそこから仕事につながる可能性もありますし、友人であれば紹介等もしてもらえる可能性も0ではありません。
その際に注意していただきたいのは、友達だからといって無償で引き受けることはおすすめしません。ほんの少しでも報酬はいただくようにしてください。やはり無料ですと、どうしても自分のモチベーションが下がりますし、きちんとお金を支払っていただける方が、きちんとしたものを作ろうという自分のやる気にも繋がるので、引き受ける前に金額等のお話はしておく方がベターです。また、できれば制作実績としての掲載許可をもらえると、今後自分の実績として見せることができるので、実績掲載のお願いもできるか合わせて聞いておくのがおすすめです。
SNSを伸ばし仕事を獲得する
TwitterやインスタグラムなどのSNSも伸ばしておくと仕事依頼につながる可能性があります。インスタだと写真で自分の世界観を作ることができますし、Twitterは拡散力も強く多くの人が利用しているので、自分のできることやデザインを発信しているとそこから仕事が入る可能性もあります。
注意したいのが、同業者や駆け出しデザイナーとの関わりのみになってしまうこと。また、仕事を獲得したいのであれば、仕事の愚痴や駆け出しであることや素人感は出しすぎない方が良いです。
愚痴ばかり言っている人や「駆け出しです!」と名乗っている方に安心して仕事は任せづらいですよね
プライベートのアカウントを共同で利用するのではなく、あくまで仕事と割り切ってSNSを活用する方法がおすすめです。
まとめ
今回は、Webデザイナー主婦が挫折する原因は?やめとけと言われる3つの理由と解決策をご紹介しました。
- 主婦でもWebデザイナーは目指せるが、完全未経験でお子さんを自宅保育しながらの場合容易なことではない
- Webデザイナーを目指す主婦の挫折率する原因として、勉強する時間の確保が難しい、Webデザイナーになるために必要な勉強が多すぎる、スクール卒業後、仕事がない、稼げない問題がある
- Webデザイナー主婦はやめとけと言われる理由は、①Webデザイナーは飽和状態、②デザイナーじゃなくてもデザインやホームページを作成できる、③納期に追われる・時間外労働などがあげられる
- 主婦Webデザイナー仕事を獲得する方法として、①ココナラ、②知り合いから仕事をもらう、③SNSを活用する方法がおすすめ
- スキルを身につけることができればWebデザイナーは主婦にとって働きやすい仕事
主婦でWebデザイナーを目指す方の参考になると嬉しいです
最後までお読みいただきありがとうございました!